10年以上続くチャットの時代
LINEやメッセンジャーが日常のコミュニケーションの基盤になって、もう10年以上が経つ。
その流れの中で登場した企業の「チャットボット」に、かつては期待した人も多かった。
しかし、現実はどうだったか。
選択肢を選ばされるだけの不自由な自動応答、たらい回しのようなやり取りに、多くの人が失望した。
そんな時代に現れたのが、ChatGPTだった。
熱狂の理由
ChatGPTは、まるで「相棒」のようにこちらの言葉に応えてくれる。
定型の選択肢も、よくあるフローも必要ない。
こちらが思いつくままに投げかければ、言葉で返してくれる。
LINEやMessengerに慣れた人々にとって、そのテンポ感と気楽さは極めて自然だった。
そしてなにより、「あーでもない、こうでもない」と試しながら、一緒に形にしていく過程そのものが楽しい。
その化学反応こそが、多くの人を夢中にさせた。
拒絶の理由
一方で、いまだにChatGPTに背を向ける人もいる。
「どうせあの、選択肢を選ばされるだけのやつやろ?」
「結局、“担当者におつなぎします”ってなるんやろ?」
そう思うのも無理はない。
過去の企業チャットボットの失望体験が、強烈に刷り込まれているからだ。
また、こちらから言葉を投げかけ、問い、試す主体性が求められる点も、人によっては負担に映るのだろう。
経営者としての視点
会社の生産性にAIをどう活かすかは、結局「リーダーの判断」に尽きる。
一発で魔法のような答えを出してくれる道具だと期待すれば、失望する。
(ましてや無料版ではなおさらだ。)
最初は、漠然とした質問からでもいい。むしろ漠然とした質問のほうがいい場合もある。そこから何度も壁打ちをして、「あーでもない、こうでもない」と一緒に作り上げる相棒だと思えば、これほど頼もしい存在もない。
もう、導入しない理由は見つからない。