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発芽プロジェクトとは?ブログ・教育・ビジネスで実践するメソッド

種子から双葉、双葉から木、木から大樹に育つイメージをフラットデザインでシンプルなモノクロ線画
目次

「発芽」プロジェクトとは?

発芽プロジェクトとは、発芽メソッドを用いて一つの種から森を育てる思考法を使ったプロジェクトのことを指します。発芽メソッドとは日常の出来事やアイデアを多方面に展開し、ブログ運営、学習、ビジネスなどで成果を生み出す具体的手法のことです。STEAM教育やPBLといった既存手法を参考に、Bitが提唱する成長拡張型のアプローチです。

一つの小さなアイデアや体験を「種」として捉え、それを様々な領域で花開かせる「発芽」の思考の実践です。これからの創造性と成長の鍵を握っていると考えています。

ブログ、教育、ビジネスという3つの分野で一つの気づきや体験からそれぞれ違った価値を生み出していく—そんな発芽の実践例を3つご紹介します。

発芽メソッドについては以下で詳しく書いています。▼

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第一の発芽:発芽ブログ

一つの体験から無限のコンテンツを生み出す

ここではブログを例にとってみましょう。

従来のブログ運営では「今日は何を書こう」という日々のネタ探しに追われがちになります。しかし、発芽ブログでは、一つの体験や出来事を「種」として捉え、そこから複数の記事を派生させていきます。

例えば、カフェでの何気ない会話という一つの体験から:

  • ライフスタイル記事:「働き方を変えたカフェでの偶然の出会い」
  • ビジネス記事:「ネットワーキングの新しい形:予期しない場所での価値創造」
  • 地域情報記事:「隠れた名店発見:◯◯区のコミュニティハブとしてのカフェ」
  • 心理学記事:「雑音と集中の関係:カフェの環境音が思考に与える効果」

このように一つの「種」から4つの異なる切り口で記事を展開することで、ネタ切れを防ぎつつ、SEO的にも多方面からの流入が期待できます。さらに重要なのは、この手法により書き手独自の視点とブランドが確立されることです。

STEAM教育との共通点

この発芽ブログの手法は、STEAM教育(Science, Technology, Engineering, Art, Math)のアプローチと類似する側面があります。STEAM教育では一つのテーマを科学・技術・工学・芸術・数学の5つの観点から探究しますが、発芽ブログでも一つの体験を複数の専門領域から分析・発信するという点で参考になる考え方です。

第二の発芽:発芽カリキュラム

教科の壁を越える日本型STEAM

教育現場にあてはめた場合を考えてみましょう。

一つのテーマを国語・算数・理科・社会といった従来の教科枠を越えて探究する「発芽カリキュラム」です。

具体例として「お米」をテーマにした場合:

  • 国語:「米の字は八十八」ことわざから見る日本人の価値観
  • 算数:一粒のお米から日本の年間生産量を計算してみる
  • 理科:なぜ稲は水田で育つ?土の中の微生物の働き
  • 社会:世界のお米料理から見る食文化の多様性

このアプローチは、子どもたちが断片的な知識ではなく、相互に関連し合う知識体系を身につける可能性があると考えています。

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プロジェクト型学習(PBL)との関連性

発芽カリキュラムは、世界的に注目されているプロジェクト型学習(Project-Based Learning)からヒントを得た部分があります。PBLでは実社会の課題解決を通じて学習を進めますが、発芽カリキュラムではその課題を複数の教科横断的な視点から探究するアプローチを想定しています。

第三の発芽:発芽ビジネス

小さなアイデアから事業の森を作る

ビジネスの世界でも「発芽」の発想を応用することで、効果的な事業展開ができる可能性があります。

一つの小さなアイデアや技術を起点として、関連する複数の事業領域に同時並行的に展開していく「発芽ビジネス」モデルです。

例えば、アプリ開発における技術基盤の多角的活用として考えられるのが:
・位置情報技術を飲食店配達、介護スタッフ配置、災害避難誘導等に応用。
(※これは仮想的な事例であり、実際の成功事例ではありません)
同一の技術基盤から異なる市場ニーズに対応することで、開発コストを抑えつつ多角的な収益源を確保できる可能性があります。

横串マネジメントとの相乗効果

このビジネスモデルは、組織論でいう「横串マネジメント」の考え方を参考にしています。従来の縦割り組織では実現困難だった部門間連携を、共通の技術基盤や価値観という「横串」で貫くことにより、組織全体の相乗効果が期待できます。

3つの発芽が示す未来

ブログ、教育、ビジネスという一見異なる3つの領域で展開している発芽プロジェクトですが、その根底には共通の哲学があります。それは「一つの種から多様な花を咲かせる」という創造的拡張の思考です。

この思考法を発芽メソッドと名付けており、情報過多で変化の激しい現代社会において、個人も組織も持つべき重要なスキルセットであると考えています。断片的な知識や経験を統合し、新しい価値を創造する力こそが、これからの時代を生き抜く鍵となると考えています。

発芽メソッドの注意点:理想と現実のバランス

弊社が提唱する「発芽メソッド」には注意すべきリスクが存在すると考えています。これらの落とし穴を事前に理解し、適切に対処するための一助になればと思います。

過度の拡散リスク

一つの種から広げすぎることで、どれも中途半端になる危険性があります。例えば発芽ブログにおいて、「カフェでの出会い」から10個の記事を派生させようと欲張った結果、どの記事も表面的な内容に留まり、読者の心に響かない薄い内容になってしまうケースである。質より量を追求することで、かえってブランド価値を損なう可能性がでてきます。

新しい種の見逃しリスク

既存の種に固執しすぎて、より価値のある新しいアイデアを軽視してしまう傾向がでてきます。一つの発芽プロジェクトに没頭するあまり、周囲で起きている変化や、読者の関心の変化を見落とし、時代遅れのコンテンツやアイデアを量産してしまう危険性です。発芽の過程で新たに発見された「種」の方が、実は元の種よりも大きな価値を持つ場合もあります。

リソースの分散による効率性の低下

限られた時間や予算が薄く広がることで、一つ一つの取り組みが中途半端になるリスク。特にビジネス領域では、複数の事業展開に手を出しすぎて、どの事業も競合他社に劣る結果となる可能性があります。発芽ビジネスでは、核となる技術の強化を怠り、拡張ばかりに注力することで、本来の競争力を失うケースにも注意が必要です。

専門性の希薄化

横断的すぎるアプローチにより、どの分野でも専門家に勝てない状況に陥る危険性がある。発芽カリキュラムにおいても、国語・算数・理科・社会すべてを浅く扱うことで、それぞれの教科における深い理解が犠牲になる可能性があります。読者や学習者にとって、「広く浅く」の知識では実際の問題解決や専門的な議論に対応できない場合がでてきます。

バランスを保つための対策

これらのリスクを回避するためには:

  • 優先順位の明確化:すべての「芽」を同時に育てるのではなく、最も価値の高いものから段階的に取り組む
  • 定期的な見直し:月に一度は発芽プロジェクト全体を俯瞰し、方向性を修正する時間を設ける
  • 専門性の確保:横断的な展開の中でも、必ず「核となる専門領域」を維持し続ける
  • 外部の視点:自分だけでは気づけない盲点を指摘してくれる第三者の意見を定期的に求める

弊社も「発芽プロジェクト」については、これらの注意点を理解した上で実践することを心掛けています。

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この記事を書いた人

1995年から25年以上、企業のWebサイト運営を支援してきました。
現在は「無茶楽(MUCHARaku)」を通じて、AIや最新のツールを活用し、より効率的で楽しいサイト改善をお手伝いしています。

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