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VPNが優秀すぎて拒否られる!?Cloudflare認証に毎回引っかかる理由

コンピュータの前で困っている人のイラスト。画面には「アクセス拒否」や「私はロボットではありません」のポップアップが複数表示されている。背景にはVPNのアイコンに×印が付いたものが見える。

VPNが優秀すぎて拒否られる!?Cloudflare認証に毎回引っかかる理由と対策

目次

なぜこんなことが起きるのか?──実体験から見えてきた現実

2024年12月頃から、MillenVPN(固定IP契約)を使っているとおかしなことが起き始めた。

Perplexityにアクセスするたび、毎回Cloudflareの「I’m not a robot」チェックが出る。 しかも一度認証しても、ブラウザを閉じたり時間が経つとまた同じ画面。まるでシーシュポスの岩のように、永遠に繰り返される認証地獄だ。

さらに追い打ちをかけるように、とあるWebサービスで「403 ERROR」の文字。CloudFrontのエラーページが表示され、完全にシャットアウト。同僚に確認すると「普通に見えるよ?」の一言。

VPNをオフにした瞬間、すべてがスムーズに動き出した。

これは偶然じゃない。明らかに何かが起きている。

起きている現象を整理してみる

1. Perplexity:毎回のCloudflare認証

  • アクセスのたびに「I’m not a robot」のチェックボックス
  • 認証後もセッションが短時間で切れる
  • 他のAIツール(ChatGPT、Claude)でも似たような現象が散発的に発生

2. 特定サイト:完全ブロック(403 ERROR)

  • CloudFront経由のサイトで頻発
  • 他のユーザーは正常にアクセス可能
  • エラーメッセージ:「Access Denied」

3. VPNオフ時:すべて正常

  • 自宅回線:問題なし
  • スマホ回線(4G/5G):問題なし
  • 問題はVPN接続時のみ発生

技術的な背景:なぜVPNが「危険人物」扱いされるのか

IPレピュテーションという見えない信用スコア

インターネット上では、すべてのIPアドレスに「信用スコア」のようなものがついている。これがIPレピュテーションだ。

VPNのIPアドレスは数千〜数万人で共有される。その中に一人でも悪意のあるユーザー(Bot運営者、スパマー、DDoS攻撃者など)がいれば、そのIPアドレス全体の信用度が下がってしまう。

固定IPだから安全、ではない。 共有型である以上、他人の行動による「連帯責任」を負ってしまうのが現実だ。

Cloudflareが判定する「人間らしさ」の基準

Cloudflareは以下の要素を総合的に判定して、アクセス者が人間かBotかを決めている:

  1. IPレピュテーション – 過去の行動履歴
  2. JavaScript実行能力 – Botは実行できないことが多い
  3. Cookie・セッション管理 – 人間的な継続性があるか
  4. ブラウザフィンガープリント – User-Agent、言語設定、画面解像度など
  5. アクセスパターン – 人間的な間隔でアクセスしているか

VPNユーザーは特に1番と5番で不利になりやすい。

AIツールが特に厳しい理由

AI系サービスはAPI乱用やスクレイピング攻撃の標的になりやすい。そのため、Cloudflareの設定を特に厳しくしている傾向がある。

  • 大量のリクエスト処理コストが高い
  • Bot化されやすいサービス特性
  • 商用利用制限を回避しようとするユーザーが多い

結果として、VPNユーザーは「疑わしい」と判定されやすくなる。

解決策:現実的なアプローチ

即効性重視:その場しのぎの対策

方法効果手軽さデメリット
VPNを一時オフ◎ 確実◎ 簡単プライバシー・セキュリティ目的が無効化
出口サーバー変更△ 場合による○ 比較的簡単試行錯誤が必要
ブラウザのプライベートモード△ 軽微な改善◎ 簡単根本解決にならない

中長期的:根本的な改善

1. VPNプロバイダーへの報告 MillenVPNのようなサービスでは、IPレピュテーション改善のための取り組みを行っている場合がある。サポートに状況を報告すれば、IP変更やホワイトリスト登録などの対応を検討してもらえる可能性がある。

2. 専用IP(個人IP)への変更検討 共有型ではなく、自分だけが使う専用IPに切り替える。コストは上がるが、他人の行動による影響を受けなくなる。

3. 複数VPNサービスの使い分け メインのVPNが引っかかった時用に、サブのVPNサービスを用意しておく運用。

まとめ:VPN時代の新しい「身分証明」

インターネットが普及し始めた頃、IPアドレスは単なる「住所」だった。しかし今や、それは「信用情報」でもある。

VPNを使う理由は様々だ。プライバシー保護、地域制限回避、セキュリティ強化。しかし、その便利さと引き換えに「信用度の低いIP」というレッテルを貼られるリスクも背負うことになる。

これはVPNが悪いのではなく、Web全体のセキュリティが厳格化した結果だ。 Cloudflareのような企業は、サービス提供者とユーザーを守るために、疑わしいアクセスを厳しくチェックしている。

AIツールが日常に浸透する今、私たちVPNユーザーは技術的な信用度という新しい概念と向き合わざるを得ない時代に入ったのかもしれない。

完璧な解決策はないが、現象を理解し、適切な対策を講じることで、快適なVPNライフを維持していくことは可能だ。


この記事は2025年9月の実体験をもとに書かれています。VPNサービスやCloudflareの仕様は変更される場合があります。

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この記事を書いた人

1995年から25年以上、企業のWebサイト運営を支援してきました。
現在は「無茶楽(MUCHARaku)」を通じて、AIや最新のツールを活用し、より効率的で楽しいサイト改善をお手伝いしています。

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