そのいいね、本物ですか?——48億円の「偽バズ」が教えてくれたこと

2026年6月26日、あるニュースが目に飛び込んできた。
茨城県つくば市のどこかに設置された「農場」。
部屋を埋め尽くすラックの中に、無数の基板があるらしい。
そこに仕込まれたプログラムは、依頼が入った瞬間に起動する。
するとSNSの投稿のインプレッションが、あっという間に100万件まで跳ね上がる。
いいねは1秒ごとに、1つずつ、機械的にカウントアップされていく。
その組織の年間売上は48億円にのぼるという。
インタビューに応じていたのは、有名大学に通うという18歳の青年だった。
数字は、簡単に作れてしまう時代になった
読んで、率直にそう思った。これは詐欺やな。
いいねもフォローも、本来は「この投稿が好き」「この人の言葉を追いたい」という人の本音が形になったものだ。
それを機械で水増しするのは、SNSの設計思想への裏切りであり、その数字を信じた人への欺瞞だ。
ただ冷静になると、これは何も新しいことではない。
人は「多くの人が信じるもの」に動かされる
歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリは『サピエンス全史』でこう指摘している。
人類が地球の覇者になれたのは、「虚構を信じる能力」を持っていたからだと。
国家も、法律も、お金も、突き詰めれば人類が共同で信じることにした「フィクション」だ。
数の多さに安心し、みんなが信じているものに飛びつく。
これは人類のDNAに刻まれた本能だ。スマホ農場はその本能を、最新技術で正確に突いているに過ぎない。
焚き火の前で神の啓示を語り大衆を動かしたシャーマン。現代版がたまたま膨大な数の基板だっただけの話だ。
では私たちはどうすればいいのか。
数字を増やすより、言葉を深く届ける
答えは単純だと思っている。数字を増やすゲームから降りることだ。
1万人に届く薄いバズより、100人に深く刺さる言葉の方が、ビジネスとしても、人としても、ずっと誠実だし強い。
ところが現実には、「発信しなければ」と分かっていても、0から言葉を生み出すことは難しい。
だから私は今、ブログやSNSの発信を一緒に作るサポートをしている。
企画、構成、草稿まで用意して、そこに社長自身の言葉や考えを乗せていく。
0では動けなくても、5があれば動ける。そういう人が、思ったより多い。
機械が水増しした数字が飛び交う時代だからこそ、届けたい人に、自分の言葉で、真摯に届ける。
その地味な積み重ねが、結局一番強いと信じている。
社長の考えを、ブログやSNSでどう言葉にしていくか。
その整理から、一緒にお手伝いしています。
