業務改善ツールは、完成させてから現場に出してはいけない

MVPは「完成してから使う」のではなく、「使いながら完成させる」
業務改善のツールを作るとき、つい「完成してから現場に出そう」と考えてしまいます。
必要な機能を洗い出して、画面を整えて、できるだけ便利なものを作る。
でも、本当に使いやすいツールは、会議室やパソコンの前だけではなかなか完成しません。
むしろ、現場で使い始めた日がスタート地点だと思っています。
使って初めて分かることがある
実際に現場で使ってもらうと、すぐにいろいろな声が出てきます。
「このボタン、ちょっと押しづらい」
「毎回ここを入力するのは面倒」
「この項目、ほとんど使わない」
「この画面を開くまでに1回タップが多い」
作っている側からすると、小さな問題に見えるかもしれません。
でも、毎日使う人にとっては、この小さな引っかかりが積み重なります。
1回なら数秒。
それが毎日、何人ものスタッフに発生すると、やがて「面倒だから使わない」という結論につながってしまいます。
業務改善は「足す」より「削る」
ツールを改善すると聞くと、新しい機能を追加することを考えがちです。
でも、現場で使うツールの場合は逆かもしれません。
使われない項目を消す。
必要のない確認画面をなくす。
ボタンを大きくする。
入力する文字を減らす。
3回必要だった操作を1回にする。
つまり、改善とは機能を増やすことではなく、現場にとって不要なものを削ぎ落としていくことでもあります。
最初から何が不要なのかを完璧に予測するのは難しい。
だから、小さく作って、まず使ってもらう。
そして現場の反応を見ながら削っていく。
この順番のほうが、結果として使いやすいものに近づいていきます。
「完成品を納品する」という発想を変える
従来のシステム開発では、
「要件を決める」 「開発する」 「完成する」 「納品する」
という流れが一般的でした。
しかし、小さな業務改善ツールなら、もう少し柔らかく考えてもいいと思います。
まず最低限のものを作る。
現場で使う。
違和感を見つける。
直す。
また使う。
この繰り返しです。
完成度80点のものを半年かけて作るより、60点でも実際に使えるものを早く現場に出したほうが、結果的に100点に近づくのが早いこともあります。
本当に見るべきなのは「使われているか」
業務改善ツールの評価は、機能の数ではありません。
画面が格好いいかどうかでもありません。
現場の人が無理なく使い続けているか。
ここが一番大事です。
使われない高機能なシステムより、毎日自然に使われるシンプルなツールのほうが、業務改善としては成功です。
だから導入日はゴールではありません。
むしろ、そこからが本番。
「ここ、いらないな」
「もう一手間減らせないかな」
そんな小さな声を拾いながら、現場と一緒に削っていく。
業務改善ツールは、作って完成するものではなく、使われながら育っていくものなのだと思います。
