AIで課題を可視化、無茶楽(MUCHARaku)で成果に変える

AI導入の成否は「開発」ではなく「整理」で決まる

最近、Difyを使って観光業向けのAIチャットボットのデモを作る機会があった。

ニセコでアクティビティやスキー用品レンタル、貸切バスなどを手がける会社向けのものである。

実際に見てもらうと、反応は良かった。

「こんなことができるんですね」 「問い合わせ対応が楽になりそうですね」

そう感じてもらえたのは、素直にうれしかった。

ただ、AI導入の相談やデモを重ねる中で、改めて感じていることがある。

AI導入で本当に難しいのは、プログラムそのものではない。

自社の業務や知識を、どこまで整理し、言語化できるか。

そこが一番大きい。

AIアプリは作りやすくなった

Difyのようなツールを使えば、AIチャットボットの形を作ること自体は、以前よりかなり簡単になった。

昔なら、システム開発会社に依頼し、仕様を決め、プログラムを書き、テストを繰り返す必要があった。

もちろん今でも本格的なシステム開発には専門的な知識が必要である。

しかし、簡単なAIアプリや問い合わせ対応用のチャットボットであれば、ノーコードツールを使って短期間で試作できる時代になっている。

ここだけを見ると、

「AIなら簡単に作れる」 「ノーコードならすぐ導入できる」

と思われるかもしれない。

たしかに、作るだけなら以前よりずっと簡単である。

しかし、簡単に作れることと、簡単に成果が出ることは別である。

課題1:API利用料

まず考えておく必要があるのは、API利用料である。

AIは使えば使うほど費用がかかる。

利用するAIの性能や、問い合わせ回数によって料金は変動する。

デモやテスト段階では小さな金額でも、本格運用になると無視できない。

特に問い合わせ数が多い業種や、海外からのアクセスを想定する場合は、費用の見積もりと管理が必要になる。

AIは便利だが、無料で無限に使えるものではない。

課題2:ナレッジ作り

次に重要なのが、ナレッジ作りである。

私は、ここがAI導入で一番大切な部分だと考えている。

むしろ、プログラムよりも時間とコストがかかるのはこの部分である。

たとえば観光会社の場合、

  • どんなアクティビティがあるのか
  • 何人まで対応できるのか
  • 集合場所はどこか
  • 雨天時はどうなるのか
  • キャンセル規定はどうなっているのか
  • 英語対応は可能なのか
  • 貸切バスの相談はどこまで受けられるのか

こうした情報を整理しなければならない。

スタッフの頭の中にはある。

過去のメールにもある。

ホームページにも少し書いてある。

紙の資料にもある。

しかし、それらがバラバラのままでは、AIはうまく答えられない。

AIに正しく答えてもらうには、まず人間側が自社の業務を整理する必要がある。

これはホームページ制作でも同じだった。

「何を載せればいいですか」と聞かれることは多い。

しかし本当は、ホームページに載せる前に、自社の商品、強み、対応範囲、よくある質問を整理しなければならない。

AI導入も同じである。

AIが賢くなったからこそ、人間側の情報整理がより重要になっている。

課題3:どう知ってもらうか

AIチャットボットを作っただけでは、利用されない。

すでにアクセスのあるホームページなら、そこに設置することで効果は期待できる。

しかし、そもそもホームページへの訪問者が少ない場合は、チャットボットを置いただけでは成果につながりにくい。

その場合は、SNS、広告、検索対策、場合によっては海外向けマーケティングなども含めて考える必要がある。

AIは単体で成果を出すものではない。

集客導線の中に組み込まれて初めて機能する。

これは、WebサイトやECサイトと同じである。

作っただけで売れるわけではない。

見つけてもらい、使ってもらい、問い合わせにつながる流れを作る必要がある。

AI導入は「業務整理」から始まる

私は30年以上、ホームページ制作やシステム導入に関わってきた。

その中で感じるのは、技術が変わっても本質はあまり変わらないということである。

ホームページの時代も、ECサイトの時代も、業務システムの時代も、そしてAIの時代も同じである。

うまくいく会社は、自社の仕事を整理できている。

何を提供しているのか。

誰に向けているのか。

どこまで対応できるのか。

何を断るのか。

どこに強みがあるのか。

これらが整理されている会社は、新しい技術を導入しても成果につながりやすい。

一方で、業務や情報が整理されていないまま新しいツールだけを入れても、現場はかえって混乱する。

AI導入の成否は、ツール選定よりも、自社の業務と知識をどこまで言語化できるかで決まると私は考えている。

簡単に見えるところまで整えるのが仕事

最近は「10分で作れるAI」「誰でも作れるAI」という言葉をよく見かける。

それ自体は間違いではない。

実際、AIアプリの試作は以前よりずっと簡単になった。

しかし、企業で使えるAIにするには、業務知識の整理、ナレッジ作り、導線設計、運用ルールの整備が必要になる。

AIは作って終わりではない。

開発だけでなく、業務整理から考える必要がある。

これからのAI導入支援では、単にツールを作るだけでなく、その会社の仕事や知識を一緒に整理していくことが重要になる。

簡単に見えるところまで整えること。

それが、AI時代に求められる支援の形だと考えている。

AI導入は、ツール選びより前に、業務整理の相談から始めた方がうまくいくことが多い。

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この記事を書いた人

1995年から30年以上、企業のWebサイト運営を支援してきました。
現在は「無茶楽(MUCHARaku)」を通じて、AIや最新のツールを活用し、より効率的で楽しいサイト改善をお手伝いしています。